愛知県名古屋市のEコマース支援なら
ECコンサルティング・ECサイト構築会社|アイヴィクス株式会社

アイヴィクス株式会社
  • twitter
  • twitter
  • facebook
  • お問い合わせ
  • 0529903467

愛知県名古屋市のEコマース支援なら
ECコンサルティング・ECサイト構築会社|アイヴィクス株式会社

町工場のDXはパッケージよりAppSheetが効く理由【設計図公開】

blog

ブログ

投稿日:20251213 更新日:20251229 カテゴリー: ブログ , 業務改善

「契約したのに使わない」はもう終わり。町工場のDXはパッケージよりAppSheetが効く理由【設計図公開】

「機能はすごいんだけど、ウチの現場には合わなかったんだよね…」

ある町工場の社長様からご相談をいただいた際、最初に出てきたのはそんなため息交じりの言葉でした。

実はこの工場様、以前に月額制(サブスク)の生産管理アプリを導入していました。しかし、高機能なパッケージソフトは、独自の工程や特殊な商習慣を持つ現場には馴染まず、結局契約したまま放置され、現場では相変わらずExcelと紙が飛び交っていたのです。

「もう、システム選びで失敗したくない」

そんな切実な想いに応えるために、私がDXコンサルタントとして提案したのが、ノーコードツール「AppSheet」を使った「自社業務に100%合わせるアプリ開発」でした。

今回は、実際に開発したアプリの設計図(データ構造)を特別に公開しながら、なぜ町工場のDXにはパッケージよりAppSheetが効くのか、その裏側をお話しします。


1. 町工場のDXが「パッケージソフト」で失敗する理由

なぜ、多くの町工場でシステム導入が失敗するのでしょうか? 決して社長の決断が間違っていたわけでも、現場の意識が低いわけでもありません。最大の原因は「パッケージソフト(既製品)と、現場のリアリティとのギャップ」にあります。

  • 特殊な工程に対応できない: 「割り込み加工」や「端材の管理」など、工場独自のルールがシステムに登録できない。
  • 帯に短し襷に長し: 使わない機能が山ほどあるのに、本当に欲しい「日報のこの項目」がない。
  • カスタマイズが高額: 独自の機能を追加しようとすると、数百万円の見積もりが出てくる。

結果として、「システムに合わせて仕事を変える」ことを現場に強いることになり、拒絶反応が起きてしまうのです。 DXの本質は、業務をシステムに合わせることではありません。「自社の強みである業務フローをそのままに、デジタルで効率化する」ことこそが、本当の町工場DXです。


2. 戦略:DXコンサルタントが「AppSheet」を提案した3つの根拠

そこで今回、私が提案したのがGoogleが提供するノーコードツール「AppSheet」でした。 私はプログラマーではありません。あくまでお客様の課題解決を支援する立場の人間として、以下の3つの理由から「これしかない」と確信しました。

①「低予算」でも「フルオーダーメイド」が可能

スクラッチ開発(ゼロからプログラミングで作る手法)ではコストが合いません。しかしAppSheetなら、Excel感覚でデータベースを構築でき、開発工数を劇的に削減できます。予算を抑えつつ、パッケージでは不可能だった「御社専用の仕様」を実現できます。

② 修正のスピード感(アジャイルな改善)

現場から「ここの入力、面倒だから選択式にして」と言われたら、その場ですぐに直せる。このスピード感こそが重要です。契約して終わりのパッケージとは違い、使いながら育てていくことができます。

③ 私の役割は「翻訳」

技術的な実装は弊社の技術チームが行いますが、最も重要なのは設計の前段階です。 社長が「何を実現したいか(経営視点)」と、現場が「どう使いたいか(UX視点)」をヒアリングし、それをシステム要件に翻訳して伝える。これが成功の鍵でした。


3. 【設計図公開】現場の声をカタチにしたデータ構造

では、実際にどのようなアプリを作ったのか? 今回はお客様の許可をいただき、アプリの心臓部である「データ構造定義(設計図)」を公開します。

パッケージソフトのような汎用性はありません。しかし、この工場様にとっては「これ以上ない最適解」となっています。

アプリの全体像(ER図)

まずはデータの関連図をご覧ください。

(ER図)関連図

こだわりのテーブル設計

特に工夫したポイントを抜粋して解説します。

■ メイン処理:生産指示(親)と工程指示(子)

1つの注文に対して、切断・加工・検査など複数の工程が発生します。これを「親子関係(IsPartOf)」で結ぶことで、現場は画面を行ったり来たりせず、スムーズに入力できます。

テーブル名カラム名Type設計の狙い・コンサルメモ
生産指示(親)生産指示IDTextシステム管理上のキー(UNIQUEID)。
顧客IDRef顧客マスタを参照。入力ミス防止。
製品IDRef製品マスタを参照。図面データも自動で紐付け。
QRコードImage現品票に印刷し、スマホで読み取るだけで工程入力画面へ。
工程指示(子)工程指示IDText
生産指示IDRef親テーブルへの紐付け。ここが切れると迷子データになる。
工程IDRef切断、旋盤、フライスなどの工程を選択。
目標サイクルタイムTime予実管理(予定と実績の比較)のため設置。
実績数Number現場での入力項目。

TYPEについての詳細はこちらを参照ください。

■ サブ処理:発注明細での自動計算

現場担当者が最も嫌がるのが「文字入力」です。 素材を選ぶだけで、サイズや材質が自動的に表示される仕組み(Dereference機能)を採用し、「選ぶだけ」の体験を作りました。

テーブル名カラム名Type設計の狙い・コンサルメモ
発注明細素材IDRef素材マスタから選択。
サイズText[素材ID].[直径] などの計算式で、規格を自動結合して表示。
入荷日Date分納管理や納期遅れチェックに使用。

4. 導入後の変化:やらされるITから、武器にするDXへ

このアプリを導入して数ヶ月。現場には大きな変化が起きました。

かつてパッケージソフトを導入した際は、埃を被っていたタブレット。 今では、油まみれの手袋をした職人さんが、休憩時間に「昨日の実績、ここ間違ってたから直しといたよ」と操作している姿があります。

  • 「これなら使える」: 自分たちの業務フローそのままだから、マニュアルがいらない。
  • リアルタイム化: 社長が外出先からでも、工場の稼働状況がスマホで見える。
  • 自分たちの道具へ: 「ここの項目、邪魔だから消していい?」といった要望が現場から出るようになりました。これは「やらされている」のではなく「自分たちの道具」として認識し始めた証拠です。

5. おわりに:町工場のDX成功は「ツールの選定」で9割決まる

今回の事例で証明されたのは、「過去のシステム導入の失敗は、決して無駄ではない」ということです。 「何が合わなかったか」を明確に知っている企業こそ、次は必ず成功します。

町工場の強みは、その独自性にあります。 既製品のパッケージソフトに無理やり合わせる必要はありません。御社の強みである「独自の業務フロー」を崩さず、ITの力で効率化する。それが本当のDXです。

「ウチも昔、システムを入れて失敗したんだよな…」 そんな経験をお持ちの企業様こそ、ぜひ一度私たちにお話をお聞かせください。 技術の話は後回しで構いません。まずは御社の「現場の悩み」を、そのままぶつけてみませんか?

弊社では製造業DXで生産管理や在庫管理の業務効率を推進していくため、ノーコードでの業務アプリ開発と伴走支援を行っております。

ブランディングで育てるECコンサルティング会社|アイヴィクス株式会社

「契約したのに使わない」はもう終わり。町工場のDXはパッケージよりAppSheetが効く理由【設計図公開】

この記事が気に入ったらいいね!しよう

ECコンサルティングの最新記事をお届けします