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ECコンサルティングとは?費用相場・業務内容・失敗しない選び方まで、EC担当者は何を知るべき?
2026年8月29日
「ECコンサルティングって、結局なにをしてくれるの?」「月額いくらが妥当なのか分からない」「前に頼んだけど、レポートをもらって終わりだった」——自社ECの担当者や責任者の方から、私たちが最も多くいただくご相談がこの3つです。EC市場は伸び続けている一方で、広告費は高騰し、検索の入り口はAIに置き換わりつつあります。自社だけで戦うのが難しくなった結果、外部の力を借りる選択肢としてECコンサルティングが注目されていますが、その実態は会社によって驚くほどバラバラです。
本記事では、ECコンサルティングとは何かという定義から、利用する事業者のタイプ、具体的な業務内容、費用相場と料金体系、成功事例、会社の選び方、そして「成果報酬制はやめた方がいい理由」まで、EC担当者が判断に必要な情報を一本にまとめました。愛知県内でECコンサルティングを依頼できる事業者を悩み別に整理したパートも用意しています。読み終えたときに、自社が「今どのタイプの支援を、いくらの予算で、誰に頼むべきか」を自分で判断できる状態になることをゴールにしています。
【結論】ECコンサルティングとは「売れる仕組みを、社内に残しながら一緒につくる支援」のこと
結論からお伝えします。ECコンサルティングとは、EC事業の売上・利益を伸ばすために、現状分析から戦略設計、集客、CVR改善、リピート施策、さらにはバックヤードの業務効率化までを外部の専門家が支援し、成果の出る仕組みを事業者の社内に残していくサービスのことです。
ポイントは「社内に残す」という部分にあります。分析レポートを受け取っただけでは売上は動きません。施策が実装され、数字が検証され、その運用手順が担当者の手に渡って初めて、支援が終わった後も売上が伸び続ける状態になります。ECコンサルティングを検討する際は、「何を教えてくれるか」ではなく「終わったときに自社に何が残るか」で評価してください。
「運営代行」でも「アドバイザリー」でもない第三の選択肢
EC支援サービスは、大きく3つに分けて理解すると混乱しません。
| 種別 | やること | 向いている事業者 | 残るもの |
|---|---|---|---|
| アドバイザリー | 助言・壁打ち・簡易分析 | 社内に実行できる人がいる | 判断材料 |
| 運営代行 | 商品登録・広告運用・受注処理などの実務 | 手が足りない/任せきりたい | 作業結果(ノウハウは残りにくい) |
| コンサルティング(伴走型) | 戦略設計+実行+検証+内製化支援 | 売上を伸ばしつつ自走したい | 仕組みと運用ノウハウ |
混同されがちですが、この3つはコストも成果の出方もまったく違います。「コンサル」と名乗っていても実態はアドバイザリーだけ、というケースは珍しくありません。逆に「代行」と名乗りながら戦略設計まで踏み込んでくれる会社もあります。看板ではなく、契約書に書かれた業務範囲で判断してください。
ECコンサルティングで得られる3つの成果
1つ目は「意思決定のスピード」です。自社ECの担当者は、日々の受注処理や商品登録に追われ、施策を考える時間が確保できません。外部の目が入ることで、「今どこを直せば一番効くのか」が明確になり、迷っている時間が減ります。
2つ目は「失敗コストの削減」です。カートシステムの選定を誤れば、数百万円と半年の時間が無駄になります。他社の事例を数十件見てきた専門家に相談することで、避けられる失敗を避けられます。
3つ目は「再現性のある売上」です。たまたま売れた月ではなく、なぜ売れたのかを分解し、再現できる形にする。これができて初めて、事業計画が立てられるECになります。
なぜ今、ECコンサルティングの需要が高まっているのか?
2020年前後のEC特需のときとは、事業者が抱える課題の質が変わりました。「とりあえずECを立ち上げれば売れる」時代が終わり、「立ち上げた後をどう運用するか」が勝負になっています。需要が高まっている背景を4つに整理します。
理由1:市場は伸びているのに、事業者間の「勝ち負け」が鮮明になった
国内のBtoC-EC市場は拡大を続けていますが、その伸びを享受しているのは一部の事業者に偏っています。特に自社ECは、モールと違って「勝手に人が来る」ことがありません。集客導線を自前で設計できるかどうかで、同じ商品でも売上に10倍以上の差がつきます。この差を埋めるために、外部の設計力を借りる判断が増えています。
理由2:広告費が高騰し、「広告を出せば売れる」が成立しなくなった
リスティング広告もSNS広告も、入札単価は上がり続けています。以前は広告費を投下すれば新規顧客が獲得でき、単月で回収できていた商材でも、今はCPAが合わなくなってきました。結果として、「新規獲得だけに頼らず、リピート率とLTVで利益を作る」設計への転換が必要になり、その設計をどう組むかで専門家を必要とする事業者が増えています。
理由3:AI検索の普及で、流入の前提そのものが変わった
検索結果の上位にAIによる要約が表示されるようになり、ユーザーがサイトをクリックせずに答えを得るケースが増えました。従来型のSEOだけでは流入が確保できなくなり、AIに引用・推薦される情報設計(AEO/LLMO)という新しい観点が必要になっています。構造化データの実装、一次情報の明示、質問と回答の対応関係——こうした設計は、既存のEC担当者が独学でキャッチアップするには負荷が高い領域です。
理由4:EC担当者が「ひとりEC」状態になっている
中小企業の自社ECは、担当者1名か兼務2名という体制が大多数です。受注処理、在庫調整、商品登録、問い合わせ対応、SNS投稿、メルマガ——これらをこなしながら戦略を練るのは物理的に不可能です。しかも属人化しているため、その担当者が退職した瞬間に運用が止まります。この構造的な人手不足が、外部リソースの需要を押し上げています。
どんな事業者がECコンサルティングを利用するのか?
実際にご相談をいただく事業者は、規模も業種もさまざまですが、抱えている課題は驚くほど共通しています。代表的な5タイプに整理しました。自社がどれに近いかを確認してみてください。
タイプ1:立ち上げたが、月商が一定ラインで止まっている自社EC
最も多いのがこのパターンです。オープン直後は既存顧客や知人の購入で数字が伸びますが、3〜6ヶ月で頭打ちになります。原因のほとんどは「新規流入の導線が設計されていないこと」と「初回購入者を2回目につなげる仕組みがないこと」の2点です。ここでやるべきは広告の増額ではなく、購入後7日〜30日の体験設計です。
タイプ2:モールで売れているが、自社ECを伸ばしたいメーカー
楽天市場やAmazonで一定の売上があり、手数料負担を減らすために自社ECへ顧客を移したい、というご相談です。ここで多い誤解が「モールと同じ売り方をすれば自社ECでも売れる」というもの。モールは検索の母集団を借りているのに対し、自社ECはブランドの信頼を自前で作る必要があります。売り方ではなく、ブランドの語り方を変える設計が必要です。
タイプ3:BtoB企業が初めてBtoCに挑戦するケース
製造業や卸売業が、下請け依存から脱却するために自社ブランドを立ち上げるパターンです。技術力は高いのに、「誰に、どんな言葉で伝えるか」が定まっていないケースがほとんど。価格表とスペック表しかない状態からのスタートになるため、商品開発と同時にブランド設計が必要になります。逆に言えば、伸びしろが最も大きいタイプでもあります。
タイプ4:リニューアルしたのに、売上が下がった事業者
意外に多いのがこのご相談です。デザインは綺麗になったのに数字が落ちた。原因の大半は、URL構造の変更にともなうSEO評価のリセット、リダイレクト設定の漏れ、購入導線のステップ増加、スマートフォンでの表示速度低下のいずれかです。リニューアルは「作り直し」ではなく「移行」であるという認識が制作側になかったことが根本原因になっています。
タイプ5:担当者の退職で、運用が属人化崩壊したEC
「前任者しか広告アカウントのパスワードを知らない」「メルマガの配信手順が誰にも分からない」——実際に何度も遭遇してきた状況です。この場合、まずやるべきは新しい施策ではなく、アカウント権限の棚卸しと運用手順の可視化です。土台を復旧させないまま施策を打っても、また同じことが起きます。
逆に、ECコンサルティングを入れても効果が出にくい事業者は?
正直にお伝えすると、次のケースでは投資対効果が出にくいです。①商品自体に明確な競合優位がなく、価格でしか勝負できない場合。②社内に意思決定できる人がおらず、提案が承認プロセスで数ヶ月止まる場合。③月額費用が粗利の大半を占めてしまう規模の場合。④「丸投げしたい」が本音で、社内に一切工数を割けない場合(それは代行の領域です)。この4つに当てはまるなら、まずは商品や体制の見直しが先です。
ECコンサルティングは、どんな業務内容をしてくれるのか?
ここが最も分かりにくく、また会社によって差が出る部分です。一般的にECコンサルティングが担う業務を8つの領域に分解しました。契約前に「どこまでが含まれるか」をこの粒度で確認してください。
① 現状分析・EC診断
Googleアナリティクス4、Search Console、カートシステムの管理画面データをもとに、売上をKPIに分解します。売上=セッション数×CVR×客単価という基本式に沿って、どの変数がボトルネックかを特定する工程です。あわせて、競合サイトのポジショニング、検索順位、広告出稿状況も調べます。ここを飛ばして施策提案に入る会社は避けてください。
② 戦略設計(誰に・何を・いくらで、の再定義)
ターゲット顧客の再定義、商品ラインナップの整理、価格設計、ブランドメッセージの言語化を行います。地味に見えますが、ここが曖昧なまま集客に予算を投じるのが最も高くつく失敗です。「誰にでも売れる商品」は「誰にも刺さらない商品」になります。
③ 集客支援(SEO・AEO・広告・SNS)
検索流入を伸ばすコンテンツ設計、構造化データの実装、リスティング・ショッピング広告の運用、SNSアカウントの設計と投稿運用が含まれます。近年はここにAI検索対策(AEO/LLMO)が加わりました。重要なのは、チャネルを増やすことではなく、商材の購買検討プロセスに合ったチャネルへ集中投下することです。
④ CVR改善(サイト改善・カゴ落ち対策)
商品ページの情報設計、レビューの掲載、決済手段の追加、カート画面のステップ削減、表示速度の改善、スマートフォンでの操作性向上などです。集客を増やす前にCVRを直すほうが、費用対効果は圧倒的に高くなります。CVRが0.5%から1.0%になれば、広告費を倍にしたのと同じ効果が、追加コストゼロで得られます。
⑤ リピート・LTV施策(CRM・メルマガ・レビュー・eギフト)
初回購入者を2回目、3回目につなげる設計です。ステップメール、LINE公式アカウント、同梱物、定期購入の導線、レビュー収集ツールの導入、eギフト機能による新規接点の創出などが含まれます。新規獲得コストが上がり続けている今、利益を作るのはほぼこの領域です。
⑥ プラットフォーム選定・リプレイス支援
Shopify、aiship、shopserve、EC-CUBE、MakeShop、Bカートなど、カートシステムの選定と移行支援です。判断軸は「機能の多さ」ではなく、自社の商材特性・受注件数・基幹システムとの連携要件・運用体制に合っているか。ギフト対応、複数配送先、定期購入、BtoB掛売りといった要件は、対応可否がカートによって大きく分かれます。
⑦ バックヤード業務効率化(受発注・在庫・出荷)
見落とされがちですが、売上が伸びた瞬間に事業を止めるのはここです。受注件数が2倍になれば、出荷ミスとメール対応も2倍になります。kintoneやAppSheetといったノーコードツールで受発注・在庫・進捗管理を仕組み化しておくと、「売れたのに回らない」という最悪の事態を防げます。EC支援会社の多くはこの領域を扱いません。
⑧ 社内の内製化支援・人材育成
運用手順のマニュアル化、担当者向けの勉強会、分析ダッシュボードの構築などです。ここに時間を割いてくれるかどうかが、伴走型かどうかの実質的な判定基準になります。外部依存を高めるほど支援会社の売上は安定しますから、あえて内製化を進める会社は信頼できると考えてよいでしょう。
「やってくれること」と「やってくれないこと」の線引き
契約前に必ず確認すべき境界線が4つあります。①デザイン・コーディングの実装は含まれるか(含まれない場合、別途制作会社が必要)。②広告の運用代行は含まれるか、広告費は別途か。③商品撮影・ライティングは含まれるか。④システム改修が必要になった場合、誰が対応するか。特に④は重要で、「提案は立派だが実装は別ベンダー」という構図になると、コストと期間が二重にかかります。
ECコンサルティングの費用相場と料金体系は?
公開されている複数の業界メディアの情報と、私たちが実際に見積もりを比較検討する場面で目にしてきた金額感を突き合わせると、費用相場は次のように整理できます。
費用相場の全体像
| 支援タイプ | 月額費用の目安 | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| アドバイザリー型 | 5万〜15万円 | 定例ミーティング、チャット相談、簡易分析、レポート |
| 戦略立案・伴走型 | 15万〜30万円 | 事業計画策定、詳細分析、施策提案、一部実装 |
| 運営代行型 | 30万〜100万円以上 | 商品登録、広告運用、受注対応などの実務代行を含む |
この3層構造は、複数の業界メディアでほぼ共通して示されている水準です。自社がどの層を必要としているかを先に決めてから見積もりを取ると、比較がぶれません。
月額5万〜15万円:アドバイザリー型の実態
この価格帯では、質問に答える・方向性を確認するといった支援が中心です。月1回の定例会議、チャットでの相談、簡易的な売上レポートの作成まで。実装作業は含まれないと考えてください。連絡手段がメール・チャット主体で、電話は1回15分以内といった制限が設けられているケースもあります。社内に実行できる人材がいる企業には十分機能しますが、そうでなければ「良い話を聞いただけ」で終わります。
月額15万〜30万円:戦略立案・伴走型の実態
中小EC事業者にとって現実的な選択肢はこのレンジです。GA4やSearch Consoleに基づいた分析、事業計画の策定、施策の優先順位づけ、月1〜2回の定例、そして一部の実装(ページ改修、バナー作成など)が含まれます。費用対効果を判断するなら、「月額の3倍以上の粗利増が半年以内に見込めるか」を目安にしてください。月額20万円なら、半年で粗利が月60万円以上増える見立てが立つかどうかです。
月額30万〜100万円以上:運営代行込みの実態
商品登録、広告運用代行、受注処理、SNS運用、コンテンツ制作までを外部が担う体制です。社内に専任担当を置く人件費と比較して判断することになります。この価格帯を検討する場合、「1人分の人件費より安く、1人より広いスキルセットが手に入るか」が判断軸になります。逆に、単純作業の代行だけであれば、この金額を払う必要はありません。
スポット・プロジェクト型の費用
「サイト診断だけ」「カート移行の要件定義だけ」といった単発の依頼です。規模と難易度によって幅が大きく、小規模なもので50万円程度から、大規模なリプレイス案件では1,000万円以上になることもあります。継続契約に踏み切る前に、まず数十万円の診断で相性と実力を確かめる進め方は合理的です。
見落としやすい「隠れコスト」に注意
月額費用だけを比較すると判断を誤ります。実際には次のコストが上乗せされます。
- 初期費用:5万〜30万円程度が一般的
- 最低契約期間:6ヶ月〜1年で縛られるケースが多い
- 広告費:運用手数料とは別に、媒体費は全額自社負担
- 制作費:LP制作、撮影、バナー、ライティングは別見積もりのことが多い
- ツール利用料:MAツール、レビューツール、分析ツールの月額
- システム改修費:カート側の機能追加が必要になった場合の開発費
見積もりを取る際は、「初年度に実際に出ていく総額はいくらか」を一枚の表にして提出してもらってください。これを嫌がる会社は、後から追加費用が発生する可能性が高いと考えたほうが安全です。
費用対効果はどう計算すればいいのか?
計算式はシンプルです。「支援によって増える見込みの年間粗利 ÷ 年間の支援総額」が2倍を超えるかで判断してください。たとえば月額20万円+初期20万円=年間260万円の支援に対して、年間粗利が520万円以上増える見立てが立つなら投資する価値があります。この試算を提案段階で一緒に作ってくれるかどうかも、支援会社の実力を測る良いテストになります。
成果報酬制度は、なぜやめた方がいいのか?
「初期費用ゼロ、成果が出た分だけお支払い」——一見すると事業者に有利に見える成果報酬型ですが、多くの中小EC事業者にはおすすめしません。相場は「コンサルティング導入後に増加した売上や利益の10〜30%程度」とされています。この構造がなぜ問題を生むのか、5つの理由に分けて説明します。
理由1:「成果」の定義で、ほぼ必ず揉める
最大の問題はここです。「増加売上」とは何を指すのか。前年同月比か、契約前3ヶ月平均比か。季節要因やテレビ放映、既存顧客のまとめ買いによる増加は誰の成果か。返品・キャンセル分は差し引くのか。送料と決済手数料は?——これらを契約書で一意に定義できていないと、必ず解釈が割れます。「成果」の定義に曖昧さが残る契約は、将来のトラブルを買っているのと同じです。
理由2:短期で数字が出る施策に偏る
報酬が短期の売上に連動する以上、支援側の合理的な行動は「早く売上を立てること」になります。結果として、値引き、クーポン乱発、セール頻度の増加、広告出稿の拡大といった施策に偏りがちです。これらは売上を押し上げますが、粗利率とブランド価値を確実に削ります。ブランド構築やSEO、CRMのような、半年〜1年かけて効いてくる施策は後回しにされます。
理由3:売上が伸びるほど利益が残らない逆転現象
具体的に計算してみます。月商500万円のECが、支援によって800万円に伸びたとします。増加分は300万円。粗利率40%なら増加粗利は120万円です。ここで成果報酬が「増加売上の20%」なら報酬は60万円。増加粗利の半分が支援料で消えます。さらに広告費や制作費が上乗せされれば、「売上は伸びたのに、手元に残る利益は増えていない」という事態が現実に起こります。売上ベースの成果報酬は、この危険を構造的に抱えています。
理由4:ノウハウが社内に残らない
成果報酬型では、支援側にとって「事業者が自走できるようになること」は収益の減少を意味します。したがって内製化支援のインセンティブが働きません。手順の共有もマニュアル化も、優先度が下がります。契約を終えたときに残るのは、伸びた売上と、それを維持する方法を知らない社内体制です。
理由5:撤退コストが高くつく
契約を終了しようとしたとき、「契約終了後も一定期間、増加売上に対する報酬が発生する」といった条項が入っていることがあります。また、広告アカウントやLPの権利が支援会社側に帰属していると、そのまま引き継げず作り直しになります。契約前に「終わり方」を確認してください。成果の帰属、アカウント権限、制作物の著作権の3点は必ず契約書で明示させるべきです。
それでも成果報酬型が向いているケースは?
公平を期すために書いておくと、次の条件がすべて揃うなら選択肢になります。①成果が一意に定義できる(例:特定の広告アカウント経由の売上のみ、など計測が明確)。②報酬に上限(キャップ)を設定できる。③契約期間が明確で、終了条件が対等。④粗利ベースで報酬が設計されている。この4条件を満たす提案が出てくるなら、その会社はかなり誠実だと言えます。逆に、この話をすると濁す会社は避けてください。
ECコンサルティングの成功導入事例
ここからは、私たちアイヴィクスが実際に伴走してきた案件から、業種と規模の異なる5つのケースをご紹介します。クライアント企業のご意向に配慮し、社名は伏せ、業種と規模での記載としています。
事例1:バレエ専門店|ブランド再定義から運用代行まで一気通貫
実店舗を持たないEC専業のバレエ用品専門店です。競合には全国に実店舗を構える大手が複数あり、品揃えと価格では正面から戦えない状況でした。私たちが最初に着手したのは、商品ページの改善ではなくブランドメッセージの言語化です。「踊る人のいちばん近くに」という軸を定め、そこからロゴ、サイト設計、コンテンツのトーンまでを一貫させました。
その上で、ECサイトのリニューアル、新着情報の更新やSNS投稿といった日々の運用代行、レビュー収集ツールの導入、友達紹介キャンペーンの設計までを並走で進めています。ポイントは、ブランディングと運用を別会社に分けなかったこと。「世界観を作る会社」と「運用する会社」が分かれていると、日々の投稿でブランドが少しずつ崩れていきます。一気通貫にしたことで、施策のスピードと一貫性を両立できました。
事例2:整体サロン|Shopifyリプレイスとeギフトによる新規接点づくり
店舗運営と並行して自社商品を販売している整体サロンのケースです。既存のカートでは購入導線が複雑で、スマートフォンでの離脱が目立っていました。カートのリプレイスにあわせて、商品選びを支援するAIチャットボットを導入し、「どれを買えばいいか分からない」という離脱要因を購入前に解消する設計にしました。
さらに、eギフト機能を導入。住所を知らない相手にもLINEなどで商品を贈れる仕組みは、既存顧客が新規顧客を連れてくる導線として機能します。広告費をかけずに新規接点を増やす方法として、ギフト適性のある商材では非常に相性が良い施策です。
事例3:金属加工会社|BtoBとBtoCを1つのECで両立させる
長年BtoBの受注生産を主力としてきた金属加工会社が、自社ブランドのカスタマイズ商品を一般消費者にも販売したいというご相談でした。難所はBtoBの掛売り・見積もり対応と、BtoCのカード決済・即時購入を、1つのサイトで両立させることです。カート選定の段階でこの要件を整理し、Shopifyでの構築を選択しました。
あわせて、この会社では工程管理業務の改善にも並行して取り組んでいます。EC経由の注文が増えれば、工場側の生産計画に影響が出ます。「売る仕組み」と「作る・届ける仕組み」を同時に設計しなければ、売れた瞬間に現場が止まる——製造業のEC化では、これが最も重要な視点です。
事例4:食品EC|サイト構成の分散が検索評価を弱めていたケース
同一ブランドで複数のサービスを展開していた食品事業者のケースです。オンラインショップと別事業のサイトがそれぞれ別のサブドメインで運用されており、検索での評価が思うように伸びていませんでした。ドメイン全体で蓄積されるはずの評価が、複数のサブドメインに分散していたことが要因の一つと考えられました。
この種の問題は、サイトを作った時点では誰も気づきません。事業が増えるたびに「とりあえず別サイトで」と判断した結果、数年後に効いてきます。ドメイン戦略は、サイトを作る前に決めるべき事項です。既に分散してしまっている場合は、統合するか、各サイトの役割を明確に分けて相互の導線を設計し直す必要があります。
事例5:設備会社|受発注のシステム化で「売る前」の詰まりを解消
厳密にはEC案件ではありませんが、EC事業者にとって示唆があるのでご紹介します。設備会社の受発注業務がFAXとExcelで属人化しており、担当者が処理できる件数が事業成長の上限になっていました。ここにkintoneでの受発注システムを、いきなり全社導入せず、1部署・1業務のスモールスタートで導入しました。
この進め方には明確な理由があります。全社一斉導入は、要件定義が長期化し、現場の反発を招き、失敗すると挽回が難しい。一方スモールスタートなら、3ヶ月で効果を検証でき、成功体験を持った現場担当者が次の部署への展開を後押ししてくれます。ECの施策も同じで、大規模リニューアルより「検証できる単位」で回すほうが結果的に速いのです。
成功事例に共通する3つの条件
これらの案件を振り返ると、成果が出たケースには共通点があります。①事業者側に意思決定できる人が会議に出ていたこと。担当者が持ち帰って上申する体制では、施策のスピードが半分以下になります。②最初の3ヶ月で小さな成功を作ったこと。社内の空気が変わり、次の投資判断が通りやすくなります。③売る仕組みと回す仕組みを同時に見たこと。EC単体を最適化しても、バックヤードが詰まれば成長は止まります。
ECコンサルティング会社を選ぶ際のポイントは?
提案書はどの会社も立派です。差が出るのは契約後です。提案の質ではなく、構造で見抜くための7つのチェックポイントをお伝えします。
ポイント1:自社のプラットフォームでの実装経験があるか
「ECに詳しい」と「あなたのカートに詳しい」はまったく別です。Shopifyの知見はaishipでは通用しませんし、モール運用のノウハウは自社ECにそのまま適用できません。「弊社と同じカートでの支援実績を、具体的に3件教えてください」と聞いてください。答えられない場合、学習コストをあなたの月額費用で支払うことになります。
ポイント2:提案だけで終わらず「手が動く」か
業界で最も多い失敗が「提案は立派でも、実行する社内リソースがない」という状態です。改善案が30個並んだレポートを受け取っても、実装できなければ売上は1円も動きません。「この提案のうち、御社が実装まで担当するのはどれですか」と、提案書に線を引きながら確認してください。
ポイント3:提案した担当者が、そのまま担当し続けるか
営業担当が提案し、契約後は経験の浅いメンバーに引き継がれる——よくある構図です。「今日この場にいる方が、月次の定例にも出席されますか」を必ず確認してください。担当者の入れ替わりが激しい会社では、毎回ゼロから事業説明をすることになります。
ポイント4:KPIとレポートの型が、契約前に示されるか
何をもって成功とするかを、契約前に数値で合意できるかどうか。セッション数、CVR、客単価、リピート率、新規/既存比率、広告のROAS——どの指標を、どの頻度で、どんなフォーマットで報告するのか。過去のレポートのサンプル(マスキング済みで構わない)を見せてもらうのが最も確実です。
ポイント5:契約期間と解約条件がフェアか
最低契約期間6ヶ月〜1年は業界の慣行として珍しくありませんが、問題は解約条件です。解約予告期間、途中解約時の違約金、制作物の著作権、広告アカウントやドメインの権利帰属——この4点を契約書で確認してください。特にアカウント権限は、後から取り戻すのが非常に困難です。
ポイント6:バックヤードの業務効率化まで見られるか
売上が2倍になれば、受注処理も問い合わせも出荷も2倍になります。ここを見ずに集客だけ強化すると、現場が疲弊し、出荷遅延とクレームで評価が下がり、結局売上が落ちます。「売上が今の2倍になったとき、現場は回りますか?」という問いに向き合ってくれる会社かどうかは、大きな差になります。
ポイント7:AI検索時代の設計思想を持っているか
従来型のSEO対策だけを提案してくる会社は、情報のアップデートが止まっている可能性があります。構造化データの実装、質問と回答の対応関係を意識したコンテンツ設計、一次情報の明示、AIが解釈しやすい商品情報の整備——こうした話題が出てくるかどうかで、その会社の学習姿勢が分かります。
危険信号(レッドフラグ)チェックリスト
- 初回の面談で、自社の現状をほとんど質問せずに提案してくる
- 「必ず売上が◯倍になります」と断言する
- 成果の定義や報酬の上限について聞くと話を濁す
- 実績が「支援社数◯◯社」のみで、具体的な内容が出てこない
- 契約書の解約条項について質問すると、「そこは大丈夫です」で終わる
- 他社の悪口が提案の大部分を占める
- 見積もりの内訳を出さず、総額だけを提示する
2つ以上当てはまる場合は、いったん持ち帰って他社と比較することを強くおすすめします。
なぜ「伴走型コンサルティング」が成功の鍵なのか?
ここまで読んで、「結局どのスタイルを選べばいいのか」と思われた方へ。私たちの結論は明確です。中小EC事業者にとって、成果が出る確率が最も高いのは伴走型です。
伴走型と、請負型・アドバイザリー型の違い
| アドバイザリー型 | 請負型(制作・代行) | 伴走型 | |
|---|---|---|---|
| 関わり方 | 助言する | 納品する | 一緒に回す |
| 終わり方 | 助言が終われば終了 | 納品したら終了 | 自走できたら卒業 |
| 実行主体 | 事業者 | 支援会社 | 両者 |
| 残るもの | 判断材料 | 成果物 | 仕組みとノウハウ |
| 相性が良い規模 | 体制が整った企業 | 要件が固まった企業 | 体制構築中の中小企業 |
伴走型が成果につながる3つの理由
理由1:実行されない提案がなくなる。中小EC事業者の最大のボトルネックは、アイデアの不足ではなく実行リソースの不足です。伴走型は支援側も手を動かすため、提案が実装まで到達します。
理由2:仮説検証のサイクルが速くなる。「やってみて、数字を見て、直す」を月単位で回せます。半年に一度の大改修より、月次の小さな改善を6回積み上げるほうが、確実に売上は伸びます。
理由3:ノウハウが社内に蓄積される。一緒に作業するため、担当者は「なぜこの施策を打つのか」を理解した状態で運用できるようになります。支援が終わっても自走できる状態こそが、投資回収の最終形です。
伴走型のデメリットと、向かないケース
公平にお伝えすると、伴走型にもデメリットはあります。事業者側にも一定の工数が必要です。定例への出席、意思決定、社内調整に、月あたり数時間から十数時間は割いていただく必要があります。「完全に丸投げしたい」というご要望には、伴走型は向きません。その場合は運営代行型を選ぶべきです。また、支援効果が出るまでに最低3〜6ヶ月かかるため、来月までに売上を立てなければならない、という緊急事態にも不向きです。
愛知県でECコンサルティングを依頼できる事業者は?【悩み別】
愛知県内には、EC構築・運用を支援する事業者が数多く存在します。ここでは公開されている比較メディアの掲載情報をもとに、「どんな悩みを持つ事業者に向いているか」という切り口で整理しました。なお、費用や対応範囲は各社の公開情報に基づく2026年8月時点のものです。実際の依頼にあたっては必ず各社に直接ご確認ください。
悩み①「まずECサイトを立ち上げたい」
初めてのEC構築で、予算を抑えつつ確実に立ち上げたい事業者向けです。
- 株式会社ラクー(名古屋市中村区名駅):ECサイトコース48万4,000円(税込)。モール・自社EC・ASPサービスに対応し、家電、生花、食品、アロマなど多業種の実績があります。
- サカイiT企画(一宮市):ECサイト構築60万円〜(税抜)。完全フルオーダーでの構築と、地元中心の運営サポートが特徴です。
- 株式会社K・Iワークス(名古屋市中区栄):ECサイト制作パック89万8,000円(税抜)。EC-CUBE・WordPressに対応し、SEO対策込みのパッケージを提供しています。
悩み②「楽天・Yahoo!など、モールの売上を伸ばしたい」
すでにモールに出店しており、店舗運営や販促の強化を求める事業者向けです。
- スタージー株式会社(一宮市):楽天市場・Yahoo!ショッピングを中心に、商品撮影から運営まで一貫対応。ファッション、寝具、日用雑貨、美容商材の実績があります。
- Catwork株式会社(名古屋市中村区名駅):楽天・Yahoo!が各15万円〜、自社ECが50〜70万円程度。構築後の運営サポート、バナー制作、広告運用まで対応します。
- 株式会社code3(春日井市):楽天市場、Yahoo!ショッピング、EC-CUBE、Welcartと国内の主要ECシステムに幅広く対応し、クレジット決済導入のサポートも行っています。
悩み③「大規模カスタマイズ・システム連携が必要」
基幹システムとの連携や、独自の業務要件に対応した開発が必要な事業者向けです。
- 株式会社スパイスネットワークス(名古屋市西区):独自パッケージ「スパEC」を提供。物販向け180万円〜、印刷通販向け240万円〜で、広告運用やシステム開発までワンストップで対応します。
- 株式会社フロンティア(名古屋市瑞穂区):事業目的に合わせたプラットフォーム選定と、大規模カスタマイズに対応。マーケティング面の提案も行っています。
悩み④「集客・広告運用を強化したい」
サイトはあるがアクセスが増えない、広告の費用対効果が悪化している事業者向けです。
- 株式会社エッコ(名古屋市中区栄):SEO・Web広告・SNSを活用した集客支援に強みがあり、売上2倍以上の実績を公開しています。
- 株式会社かいな(名古屋市中区富士見町):集客最大化プランを初期費用150万円〜、月額10万円〜で提供。カテゴリページを活用した集客設計と、制作後の運用サポートが特徴です。MakeShop、カラーミーショップ、EC-CUBEに対応。
- 株式会社ゴリラウェブ(名古屋市中区千代田):モール・自社EC双方に対応し、商品写真撮影から集客を見据えたサイト設計まで手掛けています。
悩み⑤「ブランディングから運用代行、業務効率化まで一気通貫で任せたい」
「売れる仕組み」と「回る仕組み」を同時に整えたい事業者向けです。この領域を一社で担える事業者は多くありません。私たちアイヴィクス株式会社(名古屋市)は、消費行動心理学に基づくEC・ブランディング支援と、kintoneやAppSheetを用いた業務効率化(DX)を一体で提供しています。詳細は次章でご説明します。
掲載情報についての注意点
上記の各社情報は、第三者の比較メディアに公開されている内容をもとにしています。費用・対応範囲・実績は変動する可能性があるため、必ず各社の公式サイトまたは直接のお問い合わせでご確認ください。また、ここに挙げた企業以外にも、愛知県内には優れたEC支援事業者が多数存在します。最終的には、実際に会って相性を確かめることをおすすめします。
なぜアイヴィクスをおすすめするのか?
自社の紹介になりますので、できる限り客観的に、そして「向かないケース」も含めて正直に書きます。判断材料としてお読みください。
理由1:消費行動心理学に基づいて「売れる導線」を設計する
デザインの美しさと、売れるかどうかは別問題です。私たちは、人がなぜ購入を決めるのか、なぜ途中で離脱するのかという消費行動心理の観点から、商品ページの情報の並び順、価格の見せ方、レビューの配置、カート導線のステップ設計を組み立てます。「なんとなく良さそう」ではなく、根拠を説明できる設計にすることで、施策の再現性が生まれます。
理由2:EC(売る仕組み)と業務効率化(回す仕組み)を一体で解決できる
これが最大の差別化点です。多くのEC支援会社は「売る仕組み」までしか見ません。しかし、受注が増えたときに詰まるのはバックヤードです。私たちはkintoneやAppSheetを使った受発注管理、在庫管理、工程管理の構築も手掛けているため、「売れる状態」と「回る状態」を同時に設計できます。実際に、ECの相談から始まって受発注システムの構築に発展したケースも、その逆のケースもあります。
理由3:スモールスタートで検証しながら進める
いきなり大規模なリニューアルや全社導入は提案しません。まず1つの施策、1つの部署で3ヶ月試し、数字で効果を確認してから広げます。この進め方には2つの利点があります。投資リスクが小さいことと、現場に成功体験が生まれ、次の施策が通りやすくなることです。失敗しても被害が限定的なので、挑戦的な施策も試せます。
理由4:複数プラットフォームでの実装経験がある
Shopify、aiship、shopserve、Bカート、WordPressなど、複数のカート・CMSでの構築と移行を経験しています。特定のカートの代理店ではないため、「自社が売りたいもの」ではなく「その事業者に合うもの」を提案できます。ギフト対応が多いのか、定期購入が主軸なのか、BtoBの掛売りが必要なのか——要件に応じて最適な選択肢が変わります。
理由5:「情報格差をなくす」ことを事業の目的にしている
EC業界には、知っているかどうかだけで数百万円の差が生まれる場面が数多くあります。補助金の活用、カート選定、契約条件、広告の運用実態。私たちは、その情報格差をなくすことを事業の目的に据えています。だからこそ、成果報酬型のリスクのように、自社に不利な情報も包み隠さずお伝えします。短期的な受注より、長く続く関係のほうが価値があると考えているからです。
アイヴィクスが向かない事業者
正直にお伝えします。①完全に丸投げしたい事業者(伴走型のため、月に数時間はお時間をいただきます)。②来月までに結果が必要な事業者(最低3ヶ月の検証期間を前提としています)。③数十億円規模の大手EC(専任チームを常駐させる体制が必要な規模には、より大きな支援会社が適しています)。この3つに当てはまる場合は、他社をご検討いただいたほうが良い結果になります。
ECコンサルティング導入の進め方(5ステップ)
STEP1:課題を「数字」で言語化する
「売上が伸びない」では相談になりません。月商、セッション数、CVR、客単価、リピート率、広告費とROASを手元に揃えてください。これがあるだけで、初回相談の質がまったく変わります。数字が取れていない場合は、その状態自体が最初の課題です。
STEP2:3社以上に相談し、比較する
1社だけの話を聞くと、その会社の得意分野に引っ張られます。同じ資料を3社に見せて、それぞれがどこをボトルネックと指摘するかを比べてください。指摘が一致する箇所は本当の課題です。逆に、各社の提案がバラバラな場合は、あなたの課題が定義できていない可能性があります。
STEP3:まず診断・初期分析だけを依頼する
いきなり年間契約を結ばず、数十万円規模の診断から始めるのが安全です。診断の質、レポートの分かりやすさ、担当者とのコミュニケーションの相性を、実際の仕事ぶりで確認できます。ここで違和感があれば、本契約に進まなければよいだけです。
STEP4:最初の3ヶ月を「検証期間」と位置づける
3ヶ月で狙うのは、大きな売上ではなく「動いた」という事実です。CVRが0.1ポイント改善した、メルマガの開封率が上がった、カゴ落ち率が下がった——小さくても数字が動けば、施策の方向性が正しいと分かります。この期間の成果をもとに、継続と投資額を判断してください。
STEP5:内製化を進めながら、スケールさせる
6ヶ月を過ぎたら、支援会社に依存している業務を洗い出し、社内に移せるものから移していきます。定型的な更新作業、レポート作成、SNS投稿などです。外部リソースは、より難易度の高い戦略設計や新規施策に集中させる。これが投資効率を最大化する形です。
ECコンサルティングに関するよくある質問
Q1. ECコンサルティングの効果は、どれくらいの期間で出ますか?
施策によって異なります。CVR改善(カゴ落ち対策、決済手段の追加、LP改善)は1〜3ヶ月、広告運用の最適化は1〜2ヶ月、CRM・リピート施策は3〜6ヶ月、SEOやコンテンツによる自然流入の改善は6〜12ヶ月が目安です。契約は最低6ヶ月を見込み、最初の3ヶ月を検証期間とするのが現実的です。
Q2. 月商いくらからECコンサルティングを入れるべきですか?
明確な基準はありませんが、支援費用が粗利の20%を超えるなら時期尚早と考えてください。月商300万円・粗利率40%(粗利120万円)なら、月額20万円前後までが目安です。それ未満の規模であれば、まずスポット診断や単発の相談から始めるほうが合理的です。
Q3. 補助金は使えますか?
ECサイトの構築やシステム導入については、IT導入補助金をはじめとする各種制度が対象となる場合があります。ただし制度の要件・対象経費・公募期間は毎年変わるため、必ず最新の公募要領をご確認ください。コンサルティング費用そのものが対象になるかは制度により異なります。市区町村独自の補助制度が使えるケースもあるため、所在地の自治体の情報も確認する価値があります。
Q4. モール(楽天・Amazon)と自社EC、どちらを優先すべきですか?
売上を早く立てたいならモール、利益率とブランド資産を積みたいなら自社ECです。理想は両輪ですが、リソースが限られるなら「モールで実績と顧客の声を集め、自社ECでリピーターとLTVを育てる」という役割分担が現実的です。ただし、モールの顧客をそのまま自社ECへ誘導する行為は各モールの規約に抵触する可能性があるため、必ず規約を確認してください。
Q5. コンサルティングと運営代行、どちらを選ぶべきですか?
判断軸は「社内に人を育てたいか」です。育てたいならコンサルティング(伴走型)、リソース不足を埋めたいだけなら運営代行。両方必要なケースも多く、その場合は「戦略と分析はコンサル、定型作業は代行」と分けるのが効率的です。1社で両方対応できる会社なら、その分の調整コストが省けます。
Q6. 契約前に確認しておくべき書類は何ですか?
①業務範囲を明記した提案書または仕様書、②月額に含まれる作業と含まれない作業の一覧、③初年度の総額見積もり(初期費用・実費含む)、④契約期間と解約条件、⑤制作物の著作権とアカウント権限の帰属、⑥秘密保持契約(NDA)。特に④⑤は、後から交渉するのが困難です。
Q7. 途中で担当者が合わないと感じたらどうすればいいですか?
我慢せず、早めに伝えてください。多くの会社は担当変更に応じます。合わないまま続けると、報告のための報告が増え、施策のスピードが落ちます。相性は成果に直結する要素であり、遠慮するメリットはありません。伝えても改善しない場合は、契約更新のタイミングで見直しましょう。
Q8. AI検索の時代、ECサイトは何を変えるべきですか?
優先度が高いのは3つです。①商品情報の構造化(構造化データの実装、スペックや素材、サイズの明示)、②質問と回答の形式でのコンテンツ整備(ユーザーが検索する疑問文に、明確に答える情報を用意する)、③一次情報の発信(自社でしか語れない製造背景、使用実績、比較検証)。AIは引用元として、明確で検証可能な情報源を選びます。
Q9. 相談するとき、何を準備すればいいですか?
直近12ヶ月の月別売上、GA4のアクセスデータ(閲覧権限の共有でも可)、広告費と成果、主力商品の原価率、現在の運用体制(担当者数と稼働時間)。この5つがあれば、初回相談でかなり踏み込んだ議論ができます。揃っていなくても構いません——揃っていない状態から一緒に整えるのも、支援の一部です。
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まとめ|ECコンサルティングとは「売れる仕組みを社内に残す投資」である
最後に、本記事の要点を整理します。
- ECコンサルティングとは、分析から戦略設計、集客、CVR改善、リピート施策、業務効率化までを支援し、売れる仕組みを社内に残すサービス。「何を教えてくれるか」ではなく「終わったときに何が残るか」で選ぶ。
- 利用する事業者は、月商が頭打ちの自社EC、モールから自社ECへ広げたいメーカー、BtoCに挑戦するBtoB企業、リニューアル後に売上が落ちた企業、担当者退職で運用が崩れた企業の5タイプが中心。
- 費用相場は、アドバイザリー型が月額5万〜15万円、戦略立案・伴走型が15万〜30万円、運営代行型が30万〜100万円以上。初期費用5万〜30万円、最低契約期間6ヶ月〜1年、広告費・制作費・ツール料は別途。
- 成果報酬型は原則おすすめしない。成果の定義で揉める、短期施策に偏る、増加粗利の多くが報酬で消える、ノウハウが残らない、撤退コストが高い——という5つの構造的リスクがあるため。
- 会社選びの決め手は、自社カートでの実装経験、手が動くか、担当者が変わらないか、KPIとレポートの型、契約の解約条件、バックヤードまで見られるか、AI検索時代の設計思想の7点。
- 成功の鍵は伴走型。提案が実装まで到達し、検証サイクルが速く、ノウハウが社内に蓄積される。ただし事業者側にも月数時間の工数が必要。
ECコンサルティングは、費用を払って答えを買うサービスではありません。売れる仕組みを、自社の中に作り上げるための投資です。だからこそ、選ぶべきは「一番安い会社」でも「一番有名な会社」でもなく、あなたの事業を一緒に背負ってくれる会社です。
アイヴィクス株式会社は、消費行動心理学に基づくEC・ブランディング支援と、kintoneやAppSheetを活用した業務効率化を一体でご提供しています。「売れる仕組み」と「回る仕組み」の両方でお困りの事業者様は、まずは現状の課題整理からご相談ください。自社に不利な情報も含めて、正直にお伝えします。

ブランディングで育てるECコンサルティング会社を経営。ECコンサルタント兼Webマーケターとして、中小企業向けに100社以上のECサイト構築、50社以上の課題解決を支援してきました。ブランドの魅力を可視化し「選ばれるECサイト」を実現するブランディングデザイナーでもあります。全日本SEO協会会員として、SEOによる集客支援にも定評があります。
10年以上にわたりEコマース支援を行ってきた中で、売上向上には表側の集客・販売戦略だけでなく、裏側を支えるバックオフィスの効率化が大きく関係することに気づきました。そこで現在は、kintoneを活用した業務改善・DX支援にも力を入れ、ECと業務の両面から企業の成長をワンストップで支援しています。




